我が家の娘はHSCです。
HSCという言葉も特性も全く知らなかった頃は、娘の様々な特徴をネガティブに捉えることが多くありました。
しかし、これは「HSCの特徴なんだ!」と知ってからは、ポジティブに捉えられることも知りました。
今回は、SHCの特徴をネガティブではなくポジティブに捉えることの大切さをお話していきます。
HSCとは
HSC=Highly Sensitive Child
「非常に敏感」な特性を生まれ持った子供のこと。
23項目のチェックリスト
16以上当てはまればHSCである可能性が高い、1つでも当てはまりその傾向が強ければHSCである可能性がある、と言われています。

HSC4つの特徴『DOES』
HSCには様々な特徴があります。
その特徴は、大きくわけると「D・O・E・C(ダズ)」の4つ。
まずはそれぞれの内容について解説します。
D=物事の考えが深い
少しの情報から様々な思いを掘り下げ、広く深く考えます。周囲の空気を読みすぎるほど読み、先のことまで考えを巡らせます。人の表情や言葉のイントネーションから心の内を想像します。
そのため行動することに慎重になり、時間がかかります。特に人の中に入ると、脳が常に活動している状態になるため疲れやすくなります。
O=刺激を強く受けやすい
「わっ!」と驚かされると、地球がひっくり返るかのような驚きを見せます。嬉しいことがあると、心の底から感動して喜びます。怖いシーンに遭遇すると体が震え目を開けていられなくなるほどのとてつもない恐怖心に襲われます。
様々な感情を受ける度合いが強いのが特徴です。また気持ちが一度高ぶると、穏やかに落ち着くまでに長い時間を要します。
E=共感しやすい
ポジティブとネガティブ、どちらの感情にも強く左右されます。学校などで人が注意されている場面を見ると自分のことのように受け止めて落ち込みます。テレビのニュースやドラマ、ドキュメンタリーでも、自分のことに置き換えて共感します。
それがネガティブな感情であればあるほど辛くなってしまうのです。
S=感覚が鋭い
気温や湿度、音、ニオイ、肌触りなどの刺激に敏感です。物だけでなく、人の言葉や態度にも敏感。一般的な人より敏感に感じ取ってしまうため、大勢の人の中に入ると非常に疲れます。相手が1人でも、言葉や行動に長く傷つくことがあります。
楽しいと感じる場面でも疲れる傾向が強くなります。
DOESは長所になる!
解説した4つの特徴は、ネガティブであるかのように捉えられがち。しかし、HSP特有の長所だとポジティブに受け止めることで、子供への対応の仕方が大きく変わります。
【D】しっかり考えられる
考えすぎるほどよく考えるHSC。深く考えるため、失敗することは多くありません。考えて行動するパワーを活かせば魅力的な才能を発揮する可能性もあります。
結果を出せば失敗が少ない
深く考え納得してから慎重に行動するため、実際に結果を出すに至れば失敗は多くありません。万が一失敗したとしても、時間はかかりますが、原因をよく考えます。
そのため、ひとつひとつの課題をクリアしていくことができ、自分の足でたくましく成長します。
怪我や病気が少ない、成績が良いなど、メリットとして現れます。
モラルある行動ができる
例えば学校の校則など、なぜ禁止なのかを考えます。ルールを破ればどうなるかを考えます。
そのため、先生に叱られることはほとんどありません。
モラルのある行動をするため、周囲から白い目で見られたり避難されることもないでしょう。
好きな事への努力を惜しまない
好きな事、夢中になれることを見つけると、どうしたら上達できるかをとことん考えます。努力も惜しまないので、突き出た能力を発揮することも少なくありません。
特に音楽や絵画など、芸術的才能を大きく開花する傾向にあるのもHSCの特徴です。
【O】わかりやすい
HSCは受け止める感情の度合いが強いため、反応も強くなりがちです。HSCの子育ては、親にとってメリットにもなるのです。
喜怒哀楽がはっきりしている
感情の表し方の強さは人それぞれ。嬉しいときに大声で笑う人もいれば、くすっと微笑む程度の人も。静かに黙って怒る人もいれば、顔を真っ赤にして怒鳴る人もいます。
HSCは、HSCではない人にもその感情が伝わるほどなので、わかりやすい人と受け止められます。
子育てにおいては、子供が悩んでいるとき、悲しんでいるときがわかりやすく、声をかけるタイミングを掴みやすいのがメリットになります。
周囲から気をかけてもらえる
悲しいときは思い切り悲しい表情をし、辛いときはお腹が痛くなることもあります。嫌なときは我慢して平気なフリができません。そのため、周りにその雰囲気を気づいてもらいやすい傾向にあります。
〇〇ちゃんがかわいそう、○○ちゃん大丈夫?など、優しく接してもらえる場面も多いでしょう。
幸せを実感できる
自分自身に宿る感情が強いため、幸せを実感できる強さもあります。些細な嬉しい出来事や楽しいことがあれば、人生がとても豊かで幸せだと感じます。
この点は非常に伸ばしていきたい長所です。
【E】人想いで優しい
共感力が高いのは大きなメリットです。少しくらい鈍感になると楽なのに…と思ってしまう場面もるくらい、人のことを想う力は強いです。
気持ちの変化によく気づく
人の悲しみ、心の痛みに寄り添ってあげることができます。1人でポツンと居る子がいればすぐ目につきます。悲しんでいるか、1人であることを楽しんでいるかを考えて、悲しんでいればすぐに気づいてあげられます。
人の幸せを素直に喜べる
良かったね、おめでとう、といった感情も非常に素直。人に幸せをうらやむことはあっても、妬むことは多くありません。心から人の幸せを祝福してあげることができるのはとても素敵なことです。
【S】人に流されない
不快で避けたくなる場面が多いため、心地良い場所や物事を見つけると、その場所・物事を特別に大切にします。
自分の居場所を大切にする
心地良い場所やお気に入りの物を見つければそれらを大切にし、自分の居場所として確立していきます。人間関係も同じ。大切な友達を裏切ることはしません。
マイペースを大切にする
人の行動や感情に敏感なので、自分のペースを見つけることができればとても強く生きられます。成長して自分らしさに気付けると、人に流されて自分を見失う心配はないでしょう。
長所を伸ばすための子育てポイント
HSCの特徴であるDOESは、ポジティブに受け止めればメリットになります。しかし、HSCはそもそもネガティブになりやすい傾向にあるため、子育て中は親が意識して接することがポイントになります。
敏感さは褒めるべきこと
敏感であるがゆえに、辛い感情が突き出てしまいがちなHSC。しかし、逆に考えるとどうでしょう。鈍感な人には鈍感であるがゆえの辛さもあるはずです。
どちらが良いかではなく、それぞれの良さを認めることが大切。
敏感で繊細なHSCは、大人でも気づけないことに気づけるのです。それは素晴らしいこと。
そして、敏感に感じたとき、細かいことに気づいたとき、その感情に自信を持って言葉で発することができれば大きな長所になるのです。
「よく気づいたね」「よくそこまで考えられたね」と、敏感であることを日頃から褒めてあげましょう。褒めることで子供の自己肯定感が高まり、敏感で繊細であることは素敵だと考えられるようになります。
感じたことに共感する
このテレビ番組は怖い、この音は大きすぎる、何か嫌な臭いがする…そういった訴えにはきちんと耳を傾けましょう。
「気にしなくて大丈夫」「そんなことないよ」という対応は、一見子供を励ましているかのように感じられます。しかし、SHCはそんな対応にも「わかってもらえない」と感じてしまいます。
失敗を恐れたり深く考える特徴があるHSC。その場しのぎで噓をついたり、適当な発言をすることはありません。子供が言うことは本気で受け止め、まずは共感するよう心がけましょう。
まとめ
親だって人間です。子育てのプロではありません。
子供がHSCだとわかっていても、感情的に避難したくなる日もあるでしょう。理解できないと感じてしまうこともあるでしょう。
でもだからと言って投げ出してしまうのは悲しすぎます。
親も子供の成長と同じく少しずつ少しずつHSCについて知識を増やし、親子で一緒に成長していけるといいですよね。
HSCは5人に1人だと言われています。決して少ない数ではありません。
我が子がHSCでも幸せになれる。
HSCって実はとても素敵。
そんな風に思ってくれる人が1人でも増えることを願っています。
Have a happy time!
コメント