我が子がHSCだとわかったら、それを子供本人に伝えるべきだろうか…悩むところです。答えは、子供の性格によって4つにわかれると考えます。
- 伝えるべき
- 伝えて大丈夫
- 伝える必要がない
- 伝えるべきではない
私が娘に対して適切だと思ったのは1の「伝えるべき」でした。今回は、私が娘に「あなたはHSC」だと伝えるべきだと思った理由、そしてどのように伝えたか、その後の娘の反応や変化についてお話していきます。
伝えるべきだと考えた理由
私がHSCという特性があることを知ったのは、娘が中学3年生のとき。そして伝えたのは中学3年生のときです。私が知ってからそれほど期間を開けずに伝えました。
自分の特性に娘自信が困っていた
伝えようと思った理由は、第一に、娘が自分の特性に悩み、苦しんでいたからです。娘は中学2年生の頃から不登校になり、学校に居ると辛くなる、疲れる、苦しい…行けない自分はどうしてなんだろう…そのような不安を抱えながら毎日を過ごしていました。
周りは「気にするな」「大丈夫」と言うけれど、それができない…気にするなと言われても気になるし考えてしまう…と常に悩んでいました。
先生にひとこと言われたら、きつく叱られているように感じてしまう。
友達と目が合うと嫌がられている、何かしたかな…と考え込んでしまう。
そんな具合で、敏感であることに常に悩んでいたのです。
伝えることで前向きになれるのでは?
自分の特性に悩んでいた娘。でも、その悩みで自分を卑下することはないのです。
HSCは特別かもしれない。でも、特性。病気のように治療して治るものではありません。敏感である感じ方を変えることはできないのです。
大切なのは、自分の特性を知って上手く付き合って生きていくこと。活かせる特性として認め、前向きに歩いてほしいと考えました。
どう伝える?
「あなたはHSCなのよ」と突然伝えても、混乱を招くだけかもしれません。そこで私は、1冊の本を使って伝えることにしました。
『うちの子はひといちばい敏感な子!』(明橋大二 著)
娘に興味を持たせてみた
読んだ娘は自分の特性に納得
明橋大二先生の本は、HSCの特性について本当にわかりやすく書かれています。当時中学生だった娘も楽に理解できた様子。心にすーっと入ってくるような感覚で、HSCを理解し、自分の特性として認めることができたようです。
なるほど。自分みたい。だから○○だったのか!
なんて言っていましたね。
素敵に活かせる特性であることを伝える
子育てや価値観は人それぞれ。色々なことに正解はなく、どんなことでもその人にとって正しければ良いのであろう、私はそう考えます。
でも、HSCを「大変で辛くて困ってしまう特性」だと子供にグサッと伝えるのは間違っていると私は考えます。
素敵な面があり、活かせばとても素敵な人生を過ごしていける、そう伝えることが大切。実際にそうだからです。
認めることで楽になれた
自分の特性を知った娘は、それから少しずつ前向きに考えられることが増えました。
「自分はHSC」だから。
以前なら、人と比べて悲しむことが多かった娘。「どうして自分はできないんだろう」と悩み、苦しんで過ごしていました。
今の娘はたとえ人と比較してしまう場面があっても「自分はHSCだから」という理由で新しい方法を見つけようとしています。具体的にいくつかお話しますね。
完璧を目指さない方法を見つける
例えば手帳。書かない日があるとすべてが台無しになったと感じる。だから手帳は使わない。ノートもダメ。きれいに書けないとすべてをやり直したくなる。
手帳やノートは使わず、無地のコピー用紙に落書きのように書き、それを何度か修正しながら最終的な1枚を仕上げる。この方法が自分に合っている!なんて方法を見つけたようです。
書くことは、やりたいことだったり買う物だったり、料理のレシピや何かに向けての計画だったり様々です。

目標を立てない
完璧を目指さないことと似ていますが、目標もまた娘にとっては苦痛のひとつ。目標を立てると、達成できない自分を攻めて苦しくなるからです。
「いつまでに○○をする!」という目標を立てず、「できればやる…かも」「気が向いたら」に変更する。
「○○ができるようになる!」という目標を立てず、「やってみようかな。でも続けられそうになかったら諦める。」と最初から半分諦めモード。でも、実はHSCにとってこの方法はとても大切。頑張りすぎず、自分の力量に合わせて進める。そしてキリ良く諦めることが自分を追い込まないのです。



自分の感じ方を客観的に捉える
この人は今、こんなことを考えているかもしれない。
これをしたら、こんな風に思われるかもしれない。
敏感なHSCは、人の視線や言葉のイントネーション、動きなどから、その人の感情を読み取ろうとします。そこから様々な気持ちを展開させ、自分で想像を膨らませます。しかも、どちらかと言えばネガティブな方に考えがち。
こういった「自分の感じ方」で決めつけず、自分はそう感じたけど実は「そこまで相手は思っていないかもしれない」と考えることを加えるようになったようです。
この考え方ができるようになると、人との関わり方が少しずつ楽になっていくのではないでしょうか。今はまだ積極的に人と関わることは避けたがる娘ですが、今後の成長を思うと、この気持ちの変化はとても大切なことだと思います。
伝えて変わった 伝えて良かった
子供に伝えることで、親の私の心が軽くなった…ということは正直ありません。でも、娘自身が前向きに変わったことはひしひしと感じています。
まだまだ、辛さを感じる場面はあります。これからも無くなることはないでしょう。
でも、自分の特性を認めて回避する方法を見つける中で、生きやすくなったことは間違いなさそうです。
まとめ
私がとった行動がすべてのHSCの子供に合うとは言い切れません。HSCの特性の度合いや、敏感になる場面、考え方や心の状態は人それぞれです。
もし「子供がHSCだけど…伝えるべき?」と悩む方がいれば、こんな方法で楽になった人もいるんだ…くらいに思ってもらえれば嬉しいです。
Have a happy time!
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