様々な物事に敏感すぎるほど敏感なHSC。
人の表情や言葉のイントネーションに隠れる感情には特に敏感です。

どんな気持ちで言ったのか、なぜその言葉を使うのか…それが悩みのタネになってしまうのがHSC。
今回は『この言葉はどんどんかけるべき!』と感じている3つの言葉についてお話ししていきます。





「うんうん、そうだよね。」
HSCの娘は、幼少時代から本当によく悩みました。悲しんで落ち込むことが多い子供でした。
「大丈夫、大丈夫!」や「気にするんじゃない!」、これは私がつい言ってしまっていた言葉たち。でも、大丈夫じゃないから困っているのです。頑張っても気にしてしまう、それがHSCなのです。
励ましてあげたい、前向きな気持ちになる言葉を…と思って出た言葉。でも、もっと大切なのは、“困っている”をわかってあげること。
『うんうん、そうなんだよね。』
『そうだよね。わかるわかる。』
『辛いよね、それは困ったね。』
娘に必要なのは、こういった言葉がけだったんですよね。
まずは共感の言葉。励ます言葉には要注意!
まず大切なのは、「うんうん、それは大変だよね、辛いよね」といった共感の言葉がけ。
励ましの言葉はその後なんです。
ひとつ気をつけなければならいないのは、HSCは悩むに至るまでにすごく頑張っているんです。自分の中でいっぱいいっぱいになるまで、考え、思い悩んでいるんです。既に考えている子供に対して言う「頑張って」「大丈夫」の言葉たち。親が思う以上に追い込んでしまう可能性があることを忘れてはならないのです。
「どうしたい?」ってとても大切な言葉
私が心がけるようになったのは、自分で決めさせること。
頑張るか諦めるか、続けるか止めるか、行動を起こすか我慢するか。
自分がどうしたいのか、自分で考えて答えを出すように促しました。
その答えが出るまでには、とても時間がかかります。
数時間、数日、数週間かかることも。
じっと待つしかないのです。
でも、考えるHSCはいつか必ず答えを出します。放置しません。
答えを出したとき、親はその答えに賛同してあげれば良いのです。「うんうん、そうだよね。そうなんだね。わかったよ。それがいいね。」っていう具合に。それは、どんな励ましの言葉よりも励みになる、そう感じているし信じています。



「いつでも味方だよ、安心していいよ。」
・人からどう思われている?
・こう言ったら相手はどう受け止めるだろう
・私がこうしたことで人は傷ついているかもしれない…
とにかく、不安に駆られることが多いのがHSCです。
家庭内でも同じです。
・こう言ったらパパに叱られる
・私がしたことがママを傷つけたかもしれない
家族にだって不安を抱いていることは少なくないのです。
明るく楽しく、笑顔で前向きに過ごすために、安心感はとても大切。自分で安心できないうちは親が安心させてあげる。体の成長とともに、安心できる心を育ててあげる。大丈夫だって思える大人になるために、子供のうちはたくさん安心できる言葉をかけてあげましょう。
「困ったら話してね。ママはあなたの味方だよ。」
「私は気にしていないよ。安心していいよ。」
「パパだって怒らないよ。安心して話してごらん」
「大丈夫」という大雑把な言葉でなく、具体的に気持ちを包み込むような言葉を選んで使っていくことが大切なのです。
安心できてこそ気持ちを発散できる
不安なことを心にため込んで良いことはありません。
でも、それを引き出すって難しいですよね。
まずは「話していいんだ」「話したら受け止めてもらえる」という環境、親子関係を作ることが先決。そうすれば、子供は自然と悩みを打ち明けてくれるようになります。
叱る、怒るの前に、まずは聞く。
話せる環境、聞く耳、この2つをしっかり整えよう、それが私の心がけです。
そうすれば、子供は悩みながらもけっこうすくすくと育ってくれるような気がします。
悩むのは自分だけじゃない
どうして人と違うんだろう、どうして自分はこんなに悩むんだろう、辛いんだろう…そう考えがちなHSC。でも、程度の違いはあっても誰だって悩みます。
子供に悩みを打ち明けてほしいと思ったら、親も悩みを打ち明けることも時には大切。
親だって悩みますよね。失敗もします。その姿を見せることで、子供は自分を卑下することなく安心して自信を持てるような気がします。
「ママ、これがどうしても苦手。あなた、上手よね。どうすればいいと思う?」
「さっきは大声で怒ってごめんね。ダメだとわかっていてもつい…ごめん。」
子供に対して素直に謝る。相手が子供でも、悩みを相談する。これって、実はすごく子供を成長させると思うのです。
「ありがとう」
自己肯定感が高まりにくいと言われるHSCの子供。たしかにそうだと思います。自分自信を人と比べて卑下したり、できないこと、悲しいことには特に敏感。
だからこそ、「ありがとう」や「助かったよ」は積極的に使いたい言葉です。
心からの感謝こそ意味がある
「ありがとう」と言えばいい、という話ではありません。
大切なのは心からの感謝。本当の感謝です。
言わなくちゃ…と思いながらぶっきらぼうな口調で言う「ありがとう」は、言わない方が良いでしょう。なぜなら、HSCは言葉のイントネーションや言うときの表情から、意図しなくても本心を敏感に感じ取ってしまうからです。
子供がどう考えてしてくれたことなのか、それをよく考えて、心からの「ありがとう」をどんどん伝えるのが理想です。
「ありがとう」はしっかり心に刻まれる
何げなく言う言葉でも、耳に届けばその言葉を敏感に受け止めるHSC。それは悲観的な言葉に対してだけではありません。
「ありがとう」「助かったよ」という言葉も同じ。嬉しいことなら、なおさら強く心に刻まれるはずです。
・喜んでもらえた、だからまた頑張ろう!
・これをすれば喜んでもらえるかな、やってみようかな。
こんな風に、子供が前向きになる糧となるなら、どんどんかけてあげたいですよね。
まとめ
今までの子育てを振り返ると…理想的な子育てはできていないのが現実です。失敗もたくさんありました。もう一度やり直したいなぁと感じることもあります。
でも、それも含めての子育てです。
時々立ち止まったり、後悔したり修正したり。
そんなときに、今回ご紹介した3つの言葉を少しだけ思い出してくれたら嬉しいです。
最後に思うこと。
これって、HSCだけじゃなく、どんな子供にも、そして大人にも当てはまる言葉ではないでしょうか。子供に対し、親に対し、夫に対し、友人に対し、誰に対しても。
HSCって、もしかして特別なことじゃないのかもしれない。
この記事を書きながら、そんなことを、ふと感じました。



Have a happy time!
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