HSCの子供は、悩みを打ち明けずに一人で抱え込んでしまうパターンが少なくありません。
HSCである我が子の様子から感じられるのは、「言わない」のではなく「言えない」ことがほとんど。
さらに思春期は、親と関わりたくない、鬱陶しい…という気持ちが、HSCではなくとも生じるものです。そこに加わるHSCという特性。親子関係を上手く築いて、思春期を上手に乗り越えたいものですよね。
我が家のHSC娘は今年18歳になりました。思春期という壁を乗り越えつつあるように感じるこの頃。経験を踏まえ、悩みを打ち明けられる親子関係の築き方について、少しお話してみようと思います。

どうして悩みを言えないの?
HSCは敏感気質。悩みに関してもそう。「話すとどう思われるか」をとても気にします。
怒られるのでは?
そんなこと気にして…ダメじゃない!
もっと強くならなくちゃ!
なんて言われるのではないだろうか…
話すことで自分が叱られるかもしれない…
と不安になるのがHSCです。
悩んでいる自分が悪い、解決できない自分が悪い、だから叱られる…
そんな風に、悩みを打ち明ける前から、既に自分を責めてしまっている可能性があります。
話してもきちんと聞いてくれない、共感してくれない、それどころか怒られる…。
先のことを想定して考えてしまうのがHSCの特性です。
子供の悩みに対して一度でも闇雲に叱ってしまえば、子供は親に対して心を閉ざしてしまうかもしれません。
軽視されるのでは?
HSCの悩みは、確かに小さな悩みであることも多いです。
でも、本人にとっては深く苦しい悩みなのです。
その悩みに対し「そんなこと気にしないの!あなたが思うほど、相手は深く考えていないわよ。」なんて、軽く流してしまうのはタブー。
自分の悩みは理解されにくく、話しても無駄だと感じ、心の苦しみを打ち明けようとしなくなります。
さらに、小さなことなのに気にしてしまう…そんな自分が悪いんだ…
と感じてしまうかもしれません。
悩みを話せる関係作りのポイント
親子だからと言って、何でも話し合う必要はありません。大切なのは、子供が困ったときに悩みを打ち明けられるかどうか。その関係を作るために、HSCである娘を育ててきた私が感じるポイントをまとめてみましょう。
話を聞く
子供が話したいと思ったときに話を聞く態勢を整えること。ポイントは、「子供が話たいと思ったとき」です。
子供の様子を見ていれば、今日は何かあったんだろうな…何か話したいんだろうな…と感じることもあるでしょう。でも、聞き出そうとすれば、HSCの子供はその気持ちを感じ取ります。
無理に聞き出すのは厳禁。
聞き出そうと言葉巧みに子供を操るのも厳禁です。
HSCの子供は、心と頭を必死に使います。
「どのタイミングで話せば聞き入れてくれるかな」「どの順番でどう話せば伝わるかな」と考えているはず。
「よしっ!」と子供が話す準備を整えたときに、一生懸命耳と心を傾けて聞いてあげましょう。
話の途中で口を挟むのはもってのほかです。
非難・否定はしない
「それは違う!ダメダメ~」など、子供の考えを否定する意見は極力控えましょう。
もし子供が相談事を持ち掛けてきたら、その段階で既に子供なりに一生懸命考え、悩み抜いているはずです。まずは、その気持ちを汲んであげることが最優先。
もしかしたら、誤った考えかもしれません。
𠮟るべき内容かもしれません。
でも、ちょっと待って。
子供の気持ちに向き合えば、頭ごなしに叱る以外の方法が見つかるかもしれません。
意見するタイミング
親には親としての考えがあります。いくら子供の気持ちを汲んでも…「やっぱりそれは違う」と感じたり、「もっとこうしてほしい」という願いもありますよね。
親の意見も大事。
たとえその意見をスムーズに受け入れてもらえないとしても、親の気持ちを子供に伝えることは大事なこと。
そこで考えるべきなのは、伝えるタイミング。
子供が自分の気持ちをしっかり伝え終えてからです。
つい話の途中で口を出したくなるものですが、一呼吸置きましょう。焦るとお互いに気持ちが昂り、口論になる可能性が高まります。
子供が一通り話し終えてから。
子供の気持ちが落ち着いてから。
親の意見を聞き入れる余裕があるときがそのタイミングです。
翌日かもしれません。
一週間後かもしれません。
タイミングをよく見計らい、慎重に意見してこそその気持ちが伝わることを覚えておきたいですね。
大切なことの伝え方
さて、親から子供に伝えたいことは山ほどあると思いますが…HSCの子供を相手に伝えるときは『話し方』にも注意が必要です。
強い口調で責めるように言うのは厳禁。子供の気持ちを萎縮させてしまいます。
思春期なら、反抗心を掻き立てることになりかねません。
落ち着いた口調で、ゆっくりと、丁寧に。
そして、時には子供の反論も聞き入れながら。
「でもね」「だけどね」は控えます。
「そうかぁ…」「それも一理あるよね」の方が、気持ちよく話が進みます。
そこに続く言葉も優しく柔らかくなるはずです。
× | 子:〇〇が欲しいんだけど、ちょっと高いんだ。お小遣い貯めて買っていいかな。 |
---|---|
親:えっ!でも、本当に必要なの? |
〇 | 子:〇〇が欲しいんだけど、ちょっと高いんだ。お小遣い貯めて買っていいかな。 |
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親:えっ!そうかぁ…。必要かどうかはもう考えたんだよね? |
子供が話を始めたら、親はちょっと深呼吸。慌てずに、言葉を選んでみてくださいね。
おすすめの本
我が子が思春期のとき、私が助けられた本をご紹介します。
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